数ある睡眠障害の中でも、病気とはなかなか判断されにくいといわれているのが“睡眠相後退症候群(すいみんそうこうたいしょうこうぐん)”です。
睡眠相後退障害 とも呼ばれるこの病は、ほおっておくとどんどん社会生活に支障をきたすようになってしまいます。
手遅れになる前に、この病気のこと、ライフスタイルのこと、そして自分自身のこと―もう一度見直してみませんか?
睡眠相後退症候群とは?
まず最初に、睡眠相後退症候群のご説明をする上でお話しなくてはいけないのが、
『概日リズム睡眠障害』という障害に関してです。
体内時計が上手に調節出来なかったために、睡眠のリズムが崩れてしまって、その結果社会生活に支障をきたしてしまう状態のこと。
睡眠相後退症候群とは、この概日リズム睡眠障害の一種だといわれています。
具体的な症状としては、
- 眠りにつく時間帯が慢性的に遅れてしまい、極端に遅い時間でないと眠りにつけない状態のこと。
- 超夜型人間。
- 睡眠自体に問題はないが、身体のリズムを調整する機能に問題が生じてしまっている正体のこと。
上記のような症状に見舞われてしまうんですね。
それ故に、この睡眠障害に陥ってしまうと、遅刻や欠勤なども増えてしまいがちなんです。
睡眠相後退症候群の原因
では、この睡眠相後退症候群を引き起こしてしまう原因とは一体何なのでしょうか?
その原因とは実はとってもシンプルで、ずばり“夜更かし”なんです。
一日テスト勉強のために夜更かしした程度であれば、睡眠相後退症候群に陥ることはまずないといっていいでしょう。
ですが、例えば慢性的に夜更かしを続けてしまうとします。
すると、次第に体内時計の調節がうまくいかなくなってしまいます。
そうして結果として、私たちが本来眠るべき時間帯に寝付くことが出来なくなってしまい、睡眠に障害が生じてしまうんです。
睡眠相後退症候群だと診断されるのは、
眠りにつけるようになる時刻が遅い状態が、少なくとも1ヶ月以上続いている場合です。
通常であれば、数日の夜更かしなら少しづつ早起きすることで夜も眠れるようになりますよね。
ところが、睡眠相後退症候群に陥ってしまうとなかなか睡眠のリズムを取り戻せなくなってしまうんです。
ちなみに、大きな理由として“夜更かし”とお話しましたが、掘り下げていくと夜更かしにも原因はあります。
シンプルにゲームやテレビ飲みすぎといった場合もありますが、疲労やストレスが原因になる場合もあるでしょう。
まずは自分自身の原因をしっかり突き止めることも大切です。
睡眠相後退症候群の治療法
上記でもお話しましたが、睡眠相後退症候群になってしまうと、
もはや本人の努力で何とかなるものではなくなってしまうんですね。
ではどうすべきなのか?
それは、専門医のもとで治療をして貰わなくてはなりません。
具体的な治療法をご紹介していきます。
・時間療法…患者さんに合わせた時間からスタートし、少しずつ眠る時間を遅くしていく治療方法。
・メラトニン、サプリメント、睡眠薬服用…専門医が処方したお薬等を夕方に飲む治療方法。
「ちょっとの夜更かしなら大丈夫!」-そんな風に侮ってはいけません。
睡眠相後退症候群は、ほおっておくと日中に眠気を引き起こしてしまったり、あるいは頭痛や頭重感、食欲不振、最悪の場合うつ病まで引き起こしてしまいます。
日常生活に支障をきたしてしまうその前に、朝食はしっかり食べる習慣を付けたり、日中は明るい部屋で過ごすようにしましょう。又、入眠前にテレビやスマホを見るのも控えてください。
毎日の習慣で、予防することは十分に可能ですよ♪