草食動物は肉食動物と比べると睡眠時間が短い傾向にありますが、草食動物であるにも関わらずコアラは非常に睡眠時間が長いです。
コアラの睡眠時間は22時間とされており、1日の大半を眠って過ごしているということになります。
コアラは地球上で睡眠時間が最も長い動物だと言われていますが、なぜコアラの睡眠時間は長いのでしょうか?
コアラの睡眠時間が長い理由 | 謎の多いコアラの生態系
コアラの睡眠時間が長い理由ははっきりとは分かっていませんが、ユーカリを主食として食べていることが関係しているという説が有力です。
ユーカリの葉には青酸カリ系の毒素が含まれており、コアラの他にユーカリの葉を食べる動物は存在しません。
コアラがユーカリの葉を食べることができるのはコアラの盲腸が持っている特性のためです。
2メートルにも達するとされるコアラの盲腸には毒素を分解する酵素が存在するため、コアラは毒素を含むユーカリの葉でも食べることができるのです。
しかし、解毒のためにエネルギーを必要とするので、コアラは長時間に渡って眠り続けなければならないとされています。
その他、ユーカリの葉は咀嚼時にエタノールが発生するという性質があり、エタノールが神経を麻痺させて眠気を誘発するため、コアラは睡眠時間が長いという説もあります。
また、ユーカリの葉は栄養価が低いにも関わらず油分やタンニンが多く含まれるので、消化吸収のためにはエネルギーが必要です。
極力、無駄なエネルギーを消費しないようにしなければならないというのも、コアラの睡眠時間が長い理由の一つでしょう。
コアラが体に負担をかけながらもユーカリの葉を食べているのは、それが生き延びるために必要だったからです。
コアラは夜行性の大人しい動物であり、安全に食べることができるものがユーカリの葉の他に存在しなかったため、ユーカリの葉を食べることができるように体の機能を進化させたと考えられています。
ストレスは動物の寿命の大きく左右する
また、コアラは非常にストレス耐性が低い動物であり、動物園で人間に抱きかかえられたコアラは寿命が短くなるという研究結果も出ています。
実際、コアラの生息地として知られるオーストラリアにはコアラの抱っこを禁止している州もあるほどです。
こうしたコアラのストレス耐性の低さも睡眠時間の長さに関係しているとされています。
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その他の睡眠時間が長い動物
コアラの他、睡眠時間が長いことで知られるのがナマケモノです。
ナマケモノは1日の内、20時間を睡眠に費やしており、気怠そうに過ごしている様子が動物名の由来にもなっています。
また、コウモリ、アルマジロ、オポッサムも睡眠時間が長く、18時間から19時間程度とされています。