日本人には寝不足や不眠症に悩んでいる方が多く、これらの改善のためにヒーリングミュージックやアロマテラピーなどのさまざまな快眠グッズが販売され、人気を博しています。
その他、睡眠の質を向上させる方法として非常に有効なのが体温をコントロールすることだと聞いたことはありませんか?
睡眠と体温には密接な関わりがあり、人間の体温は昼間の活動時には上昇し、夜間の休息時には下降するという性質を持っています。
また、覚醒時と比べると睡眠時は更に体温が落ち込み、特に、深い睡眠であるノンレム睡眠や徐波睡眠の間は1日の内で最も体温が低くなります。
なので、体温をコントロールすることによって快眠を得ることができるようになります。
寝ているときはなぜ汗をよくかくの?
寝ている時に汗が出やすいのは、睡眠中に少しでも体温が上昇すると脳の視床下部がこれを敏感に察知し、体温を下げるために汗を分泌させるためです。
昼間の活動時の熱が体に残っている場合、体温が下がり切らないので十分な睡眠を取ることができません。
そのため、人間の体には就寝前に手足の血流量を増やし、手足の体温を上昇させるという機能があります。
末端部である手足は熱が放出されやすい部位なので、そこから熱を放出して体の奥の熱を冷やしているのです。
体の奥の支部体温が低下することにより、人は眠気を感じるようになります。
つまり、快眠を得るためには体温を上昇させてから下降させるというプロセスをスムーズに行うことが必要になります。
快眠のために効果的なことは?
就寝前に激しい運動を行うと体温が上がり過ぎてしまいますが、軽めの運動を行うことで体温を上げることができ、就寝時におけるスムーズな体温の低下に繋げることが可能であり、昼間に運動を行うことは快眠にも効果があります。
また、就寝の1時間前に入浴を取るのも効果的です。水分を含む体の温度を上げるためには、長時間浴槽に浸かっておく必要があります。
温度を40℃以上に設定していると体の奥が温まり切らない内に風呂を上がってしまい、交感神経が活発になるので興奮して眠れなくなるということが起こりがちです。
そのため、就寝前の風呂はぬるめに設定し、ゆっくりと時間をかけて体を温めることが大切です。血行も促進されるため、質のいい睡眠を取ることができます。
冬場にヒーターを点けっ放しにしたり、靴下を履いたままにして眠っている方もいますが、暖房や着衣で温度をコントロールしようとすると体の温度のコントロールが正常に行われなくなり、眠りが浅くなってしまうこともあります。
快眠のためには防寒を適切な範囲に抑えることが大切です。